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いぎりす

ヘルシーで健康的!うまみたっぷりの島原名物

乾燥させたイギス(紅藻類の海藻)を、米のぬか汁や大豆のゆで汁等を用いて煮溶かし、人参や魚、あるいはピーナッツなどの具を練りこみ、羊羹状に固めたもの。冠婚葬祭の席によく供され、食べられている。名称の由来は原材料の海藻、「いぎす」がなまったものとされている。いぎす豆腐、おきゅうとなどと同系統の食品。

つるっとしたのど越しが特徴。愛媛から伝わった郷土食

“いぎりす”とは、“いぎす”という海藻を溶かしてようかんのように固めたもの。のどの通りのよさが特徴の素朴な郷土料理です。食卓には、切って大皿に盛って出されます。 いぎすを食べるようになったのは、島原の乱後、この地に移住してきた四国の人たちの影響といわれていて、今治(愛媛県)郷土食のいぎす豆腐がもとであるといわれています。干しいぎすをさらすと、もとの一斤(600グラム)が約40匁(約150グラム)に減ります。うるち米の新しい米ぬか5合を布袋に入れて水2升の中でもみ出し、一番ぬか汁でいぎす40匁を浸して洗います。水気をしぼって、二番ぬか汁2升くらいを入れ、火にかけて練る。ぬか汁は少しとりのけておき、加減を見ながら加えていきます。 中に入れる具は、にんじん、きくらげ、しいたけ、魚(さば、いわし、白身の魚など)を小さく切って砂糖醤油で煮たものを加えます。落花生は炒って渋皮をとり、ふきんに包んでたたいておきます。豆腐は小さくさいの目切りがよいです。 中に具を入れないものを“白いぎりす”といって仏事に用います。細く切って、ごま醤油や白あえで食べられるのが一般的です。

旬 6月 7月

長崎県の島原半島に伝わる郷土料理。
「いぎりす」は、材料や作り方は若干異なるものの、愛媛県今治地方に伝わるイギス藻を使った料理「いぎす豆腐」がルーツだといわれている。今治の料理に近いものが島原で作られるようになったのは、江戸時代の1637年に起きた島原の乱ののちに幕府が復興策として四国の各藩から農民たちを移住させたから。移住した彼らが有明海でも瀬戸内海と同様にイギス藻が採れることを知ったことで調理がはじまったと見られている。
「いぎりす」という名称は国名のイギリスとはなんの関係もない。イギス藻のイギスが転訛しただけとされている。

主な伝承地域:島原半島
主な使用食材:イギス藻(干)、キクラゲ、木綿豆腐、にんじん、ピーナッツ

Information

名称
いぎりす

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