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鶏ひきとおし鍋

(とりひ なべ)

島国・壱岐の風土が生んだ鶏の旨味を最大限に引き出した鍋料理

昔、 島で鶏肉が一番のご馳走だった頃、お客様が来ると庭で鶏をつぶし、奥に”ひきとおし”て食べさせたことに由来する鍋料理。島の鶏は、放し飼いに近い状態で育てるため、肥育期間が長く味が濃い。自給自足の生活が長かった島国・壱岐でのおもてなしや祝い事で振る舞われた。昔は家で飼っている鶏をつぶし、庭で育てた野菜を採って用意したと言う。鶏がらで取っただしに薄口しょうゆ、酒、ショウガを加えるスープが特徴。鶏の旨味が溶け出した上に、野菜の甘みが加わるスープは、ポン酢等を使わずに、そのまま食べるのがお薦め。

ひきとおし

「ひきとおし」とは、長崎県の離島である壱岐の代表的な郷土料理です。昔、壱岐の農家では、盆や正月、祭りの日に訪れた客をもてなすために、自宅で育てた美味しい鶏を使って鍋料理を作り、客を座敷に案内して楽しませていました。この料理が現在の「ひきとおし」という名前の鍋料理の原点であり、名前も当時の「引き通し」から来ていると言われています。壱岐の方言では「ふるまう」を「フレメー」と言うため、「ひきとおし」を「フレメー料理」と呼ぶこともあります。

この料理は地元で非常に人気があり、地元の飲食店などで一年中提供されています。鍋の中身は家庭によって異なりますが、通常は鶏もも肉(またはツミレ)と野菜に加えて、壱岐の特産品である濃厚で甘い壱州豆腐と、しっかり茹でたそうめんが入っています。風味を引き立てるために、鍋には壱岐焼酎を注ぐこともあります。

主な伝承地域:壱岐市
主な使用食材:鶏もも肉、壱州豆腐、そうめん、白菜、ごぼう、こんにゃく、ねぎ

Information

名称
鶏ひきとおし鍋
(とりひ なべ)

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