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対州そば

(たいしゅう 蕎麦)

原種に近い貴重なそば。独特な歯ざわりと風味を楽しみたい

荒地に強く水に弱いそばは、岩がちで平地の少ない対馬に最適。古来より、「木庭作」(こばさく)と呼ばれる山の斜面を利用した粗放的な焼畑で栽培され、江戸時代には厳原町の城下に何軒ものそば屋さんが店を連ねていた。全国的にそばの品種改良が進んだ現在は、原種に近い対馬のそば(対州そば)は貴重。小粒で風味が強い独特の味わいは、愛好者から高評価を受けている。つなぎを一切使わず、100%天然のそば粉を用いるのが対馬流。独特の歯ざわりとのどごしの良さ、自然の香りと味を楽しむことができる。

「対州そば」は、古くから対馬で栽培されているそばの品種のこと。名称にある「対州」はかつての対馬国を指している。
そばの原種は中国南部からヒマラヤ周辺がルーツとされ、縄文時代に朝鮮半島を経由して対馬に伝来したといわれている。対馬は離島であるため、ちがう品種のそばと交わることが少なく、今もその原種の特徴を残すそばが栽培されている。
2018年には、地域の農林水産物や食品の名称を守ることを目的とした国の『地理的表示(GI)保護制度』に「対州そば」が登録された。これは長崎県で初であり、日本のそばでも初のこととなった。

「対州そば」は小粒な品種。打つと強いコシがあり、ほのかな苦みが感じられる独自の麺になる。「もりそば」や「かけそば」にして食べるほか、対馬の郷土料理「いりやき」にそばを入れた「いりやきそば」にしていただくこともある。

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対州そば
(たいしゅう 蕎麦)

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