長崎市の新三重、みなと、野母崎は巻き網漁の基地になっており、年を通して新鮮なイワシが水揚げされている。中でも、煮干の原材料になるウルメイワシの漁獲量では、長崎県は日本第三位の漁獲量を誇っており、それぞれの漁港の近くでは、その新鮮なイワシを使った”煮干”作りが行われている。カルシウムを筆頭にした栄養たっぷりの煮干は、そのままおやつやおつまみとして楽しむだけでなく、うどんやそば、味噌汁の出汁に使っても深い味わいが出て美味だ。
長崎の自慢、煮干しいりこは、日本一の生産量を誇っています。これらの煮干しは、多くの料理で使われており、その生産量は全国の煮干しの約3分の1を占めています。なぜなら、煮干しの主要な材料である魚の漁獲量が、長崎が日本一だからです。長崎の煮干しは、生産量だけでなく品質でも高く評価されています。
通常、煮干しと呼ばれるものには、カタクチイワシがよく使用されます。これらの煮干しは、生の魚をそのまま乾燥させる「素干し(すぼし)」とは異なり、高品質の魚を釜で煮てから乾燥させる方法を採用しています。そして、特徴的なのは、長崎で海水を使用して煮ることです。
この煮るプロセスにより、魚の自己消化酵素が停止し、細菌が殺菌され、身が凝縮され、脱水乾燥がしやすくなります。古くから素干しと煮干しの両方の製法が存在しますが、煮る方法の方が品質を長らく保つのに適しているとされています。