江戸時代、鎖国体制を敷いていた日本で、唯一海外との貿易が認められていた長崎県。グラバー園をはじめ異国の文化が垣間見える観光スポットが点在しています。
キリシタンによって建てられた大浦天主堂や浦上天主堂など歴史的建造物を見学できるほか、稲佐山からの圧巻の夜景を楽しむことができます。県南部の島原半島では火山の恩恵による温泉が豊富。北部の佐世保にはイルミネーションで有名なハウステンボスなど、アミューズメントも豊富です。
長崎県観光を楽しむために
江戸時代、鎖国体制を敷いていた日本で唯一海外との貿易が認められていた長崎県には、グラバー園など海外の文化を堪能できる観光スポットが点在しています。
キリシタンによって建てられた大浦天主堂や浦上天主堂に加え、オランダ坂、眼鏡橋、東山手十二番館などがある他、毎秋に開催される「長崎くんち」を観れば、中国大陸の文化も受け継いでいることがわかります。
そんな貿易都市として栄えた長崎の街を一望できる稲佐山からの夜景は、世界新三大夜景に選ばれるほどの絶景です。
また、数々の島からなる長崎県では、風光明媚な九十九島を眺める展海峰や、海峡に掛かる真っ赤な平戸大橋などの景観を楽しめ、五島列島や壱岐、対馬などの島に渡れば、固有の文化遺産に触れることもできます。
県南部の島原半島では、雲仙普賢岳の噴火の威力を体感できる雲仙岳災害記念館を見学しつつ、火山の恩恵による雲仙温泉などで疲れを癒すことができます。
また、原爆の悲劇を学ぶ長崎原爆資料館や平和祈念像、山王神社の被爆クスノキなども見るべきポイントの一つ。このたび世界遺産に登録された軍艦島など歴史的スポットにあふれたエリアです。
長崎県の歴史
室町時代、平戸にポルトガル商船が来航し、フランシスコ=ザビエルをはじめとした多くの宣教師たちによって、たくさんの西洋文化が流入しました。江戸時代に入るとキリスト教への弾圧が激化しますが、キリシタンたちは地下に潜りその文化を守ってきました。
その後、明治の開国期には政府によって長崎造船所(後の三菱重工業長崎造船所)が造られ、長崎や佐世保は軍港都市として発展していきます。しかし太平洋戦争時、軍港長崎は空襲の標的となり、投下された一発の原爆によって全てを失ってしまいます。
それでも、長崎の人々の弛まぬ努力により復興を果たし、2022年の九州新幹線長崎ルートの開業を目指す九州で指折りの経済都市として成長を遂げています。
長崎県のご当地グルメ・食文化・特産品
たくさんの海鮮と野菜、それに中太麺を鶏ガラスープで炒めた長崎ちゃんぽんは、長崎皿うどんと共に県を代表するグルメです。他にも平戸や小浜地方特有のちゃんぽんや、あごだしスープでいただくご当地ラーメン、島原手延べそうめん、五島うどんなど、麺文化が発達しています。
また、軍港として栄えた都市が多いため佐世保バーガーやレモンステーキ、トルコライスなどの洋食メニューや、卓袱料理と呼ばれる西洋と東洋の料理を合わせた宴会メニューなどを楽しめます。
島原半島では具雑煮やろくべえなど和テイストの郷土料理もいただくことができます。
各島々では和牛の生産が盛んで、県内各所で壱岐牛・大村牛・平戸牛などの和牛を堪能することができ、また海にも囲まれているため、紅王(アマダイ)、壱岐剣(剣先イカ)、ごんあじ、野母んあじ、値賀咲(長崎イサキ)、九十九島カキなどのブランド魚介を味わうこともできます。
お土産としては王道のカステラ、それにかんころ餅や一口香などの鉄板どころをおさえておけば間違いないでしょう。
標高333メートルの稲佐山の山頂にある展望台からは1000万ドルの夜景が見られる。市内全景を望むことができ、360度のパノラマが楽しめる。 函館の函館山、神戸の摩耶山と共に日本三大夜景の一つ。モナコ、香港と並び世界新三大夜景として認定された。 稲佐山公園8合目ほどの広い敷地に公園が整備されていて、稲佐山野外音楽堂、滑り台や噴水広場などが設置されている遊具広場、猿と鹿を飼育している無料の動物園、約400台を収容できる無料駐車場がある。 登山道登山道がいくつか整備され、自然の中を歩きながら山を登ることができる。登山道付近は火砕岩地質で土壌が悪く、ナガサキマンネングサなど他の土地では見られない...»
通称「軍艦島」で知られる端島は、1800年代から炭の採掘が行われていました。労働者が暮らす鉄筋アパートのほか、映画館や病院などの施設が建てられ、一時は非常に栄えていました。しかし、主要エネルギーが石油へと変わったことで炭鉱は閉山し、島は無人島となりました。 観光スポットとしての軍艦島 現在、いくつかの会社が軍艦島へのクルーズツアーを企画し、観光スポットとして人気を博しています。ツアー参加者は、かつての住宅街を船上から望み、上陸後には坑道の跡やアパートを間近で見ることができます。朽ちた建物が並ぶ廃墟の町と、命ある植物のコントラストは非常に美しいです。 軍艦島コンシェルジュとミュージアム ...»
東京ドームの33個分という広大な敷地に、17世紀のオランダの街並みが再現されたウォーターフロントリゾート。 ハウステンボスとは、オランダ語で「森の家」という意味。街には船が行き交う全長6kmの運河が走り、様々なアミューズメント・ミュージアム施設をはじめ、ショッピングやレストランも充実。郵便局や銀行等生活する街としての機能も備えています。 季節毎に行われる様々なイベントに加え、最新のテクノロジーを駆使したエコシティーとしても注目されており、四季折々の美しい花々や木々も魅力です。 施設 ウェルカムゲート テディベアキングダムカナルクルーザー(タワーシティ行き)ゴンドラ遊覧 アドベンチャ...»
平戸から佐世保の間海上約25kmにわたり点在する208島から成る島々の総称で、島の密度は日本一と言われている。 リアス式海岸と緑の島青い海の対照が見事。九十九島の景観を鑑賞できる主なビュースポット「九十九島八景」を市が認定している。 表情豊かな九十九島の美しい島々を間近に体験できる遊覧船も運航されている。シーカヤックやヨット等のマリンスポーツも盛ん。 殆どは無人島や岩礁で、人が住む有人島は黒島、高島、それに本土から橋で行き来できる前島と鼕泊島の4つ。 全域が西海国立公園に指定され、日本百景に選定されている。 国際NGO「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟認定された。...»
原爆の災禍を身をもって経験した長崎市民が「平和は長崎から」のスローガンのもとに世界の恒久平和を祈る象徴として、さる昭和30年5カ年の歳月と3千万円の寄附金により完成した青銅像。 像の高さは地上9.7メートル、重量30トン、製作は日本芸術院会員北村西望氏である。 概要平和祈念像は、長崎市平和公園に立つ高さ約9.7メートルの巨大な青銅像です。第二次世界大戦中に投下された原子爆弾の犠牲者を追悼し、平和を祈願するために1955年に建立されました。原爆の悲惨さを今に伝え、世界平和の願いを象徴するランドマークとして多くの人に知られています。 デザインと込められた想い彫刻家・北村西望氏の手によって制作...»
雲仙は、国立公園第1号の指定を受け、さまざまな自然に恵まれた国際観光地。 ゴルフ場、テニスコート、キャンプ場などが完備されているほか、付近には、キリシタン哀史で知られる雲仙地獄をはじめ、キャンプでにぎわう白雲の池などがあり、また原生沼は天然記念物指定を受けた高層湿原で、ミズゴケ、カキツバタなど珍しい植物が見られる。 温泉街の中心にある雲仙お山の情報館は「大山と温泉」をテーマに雲仙や島原半島の自然や歴史を知ることができる。 小地獄温泉は雲仙温泉の中心街から、やや南へ下った湯治場ムードの温泉。すぐ裏にある地獄から湯を引く小地獄温泉館を中心に、小さな宿がかたまっている。概要 雲仙温泉(う...»
長崎の冬を彩る一大風物詩。約1万5千個にも及ぶランタン(中国提灯)が長崎新地中華街をはじめ、市内中心部を極彩色に彩る。 開催は旧暦の1月1日から15日。「皇帝パレード」や「媽祖行列」をはじめ期間中毎日開催される「龍踊り」や「中国雑技」など、中国色豊かなイベントも繰りひろげられる。概要 長崎ランタンフェスティバルは、長崎市で毎年旧正月を祝うために開催される大規模なイベントです。中国の旧正月を起源とするこの祭りは、長崎新地中華街を中心に市内全域で行われ、数千個のランタンが街を彩ります。華やかなランタンや様々なイベントが目白押しで、訪れる人々に幻想的な光景と文化体験を提供します。 ...»
山頂の展望台から長崎市内全域を一望できる、標高333メートルの山。 夜景の名所でもあり函館の函館山、神戸の摩耶山と共に日本三大夜景の一つ。モナコ、香港と並び世界新三大夜景として認定された。 稲佐山からの夜景は「1000万ドルの夜景」と称される。稲佐山の山頂自体も夜景スポットとなっており、夜間には電波塔のライトアップが行われている。 ロープウェイ稲佐山へは、長崎ロープウェイを使うことで直接山頂まで上ることができる。ふもとの駅「淵神社駅」から山頂の駅 「稲佐岳駅」まで1110メートルを運行。 稲佐山公園8合目ほどの広い敷地に稲佐山公園が整備されている。稲佐山野外音楽堂、滑り台や噴水広場など...»
ゴシック風白亜の天主堂で、現存する日本最古のカトリック教会。1864年に建てられ、翌年から公開。ステンドグラスの光が神々しい。 大浦天主堂の概要 大浦天主堂は、長崎県長崎市に位置するカトリック教会で、日本における最古の木造ゴシック建築として知られています。正式名称は「日本二十六聖殉教者聖堂」で、1864年にフランス人宣教師たちによって建立されました。現在では国宝に指定されており、その美しい建築と歴史的価値から多くの観光客が訪れる人気のスポットです。 歴史と背景 大浦天主堂は、江戸時代の鎖国政策が終わり、日本が再び外国との交流を始めた時期に建てられました。1864年、フランスのパリ外国宣...»
英語句スコットランド人貿易商のトーマス・グラバーの旧邸。1863年に完成したコロニアル・スタイル(バンガロー式)のおしゃれな平屋建ての洋館。 上から見ると四葉のクローバーの葉形をしている。応接室、寝室・事務室などがある。 また内部には、グラバーゆかりのステッキや釣り道具などが展示されている。 概要 グラバー園は、長崎市南山手町に位置する歴史的な観光スポットです。園内には、19世紀に建てられた洋風建築が数多く保存されており、明治時代の雰囲気を感じることができます。特に、スコットランド人商人トーマス・ブレーク・グラバーの旧居が有名で、長崎港を一望する絶好のロケーションにあります。 歴史 ...»
長崎市南部、南山手・東山手の石畳のオランダ坂沿い、旧英国領事館、グラバー園などが並び、エキゾチックな風景。 オランダ坂の概要 オランダ坂(オランダざか)は、長崎県長崎市に位置する歴史的な坂道で、異国情緒あふれる景観が特徴です。江戸時代末期から明治時代初期にかけて、外国人居留地として栄えたこの地域には、多くの西洋風の建物が立ち並び、その独特の雰囲気が観光客を魅了します。 歴史と背景 オランダ坂の名前の由来は、江戸時代に長崎がオランダとの唯一の貿易港であったことにちなんでいます。当時、多くのオランダ人商人が長崎に居住し、この地域に西洋風の建物を建てました。坂道は、オランダ人たちが行き交う場...»
日本古来の登窯、はじめ中国、韓国、トルコ、イギリスなど東洋と西洋の窯12基が復元整備されている野外博物館。 波佐見やきもの公園の概要 波佐見やきもの公園は、長崎県東彼杵郡波佐見町に位置する陶磁器の展示と体験ができる公園です。この公園は、波佐見焼の歴史と文化を紹介し、訪れる人々にその魅力を伝えることを目的としています。美しい自然に囲まれた広大な敷地内には、さまざまな展示施設や体験プログラムが充実しており、多くの観光客や地元の人々に親しまれています。 歴史と背景 波佐見町は、江戸時代から続く陶磁器の産地として知られています。波佐見焼は、その美しさと機能性で高く評価され、国内外で広く愛されて...»
社殿36,000平方メートルの広大な神域、九州一のみかげ石の大鳥居。 年末になるとギネスブックにも認定された「世界一の門松」が登場。高さ11メートル以上の巨大門松は年明け方までライトアップされ、荘厳な雰囲気の中で新しい年が迎えられる。1940年に創建。 橘神社の概要 橘神社は、長崎県雲仙市千々石町に位置する歴史ある神社です。この神社は、橘周太陸軍中佐を主祭神として祀っています。橘公園内には、橘中佐、釧雲泉、千々石ミゲルといった千々石の三大先人の史跡が数多く残されており、地域の歴史と文化を深く感じることができます。 歴史と背景 橘神社は1940年(昭和15年)に創建されました。地元出身...»
明治から昭和初期に活躍した建築家、下田菊太郎が設計した国内に現存する唯一の遺構。1904年の建築で、長崎市内の石造りの洋館として最大級。 旧香港上海銀行 長崎支店 記念館の概要 旧香港上海銀行 長崎支店 記念館は、長崎県長崎市に位置する歴史的な建物で、現在は記念館として公開されています。この建物は、20世紀初頭の銀行建築の代表例であり、その美しい外観と内部の装飾が訪れる人々を魅了しています。 歴史と背景 旧香港上海銀行長崎支店は、1904年に建設されました。香港上海銀行(HSBC)は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、日本を含むアジア地域で広く事業を展開していました。長崎支店は、そ...»
中国僧真円開基の黄檗寺院。本堂大雄宝殿は国の重要文化財。異国情緒に満ちた寺域は県の史跡。別名「あか寺」。1620年に創建。 東明山興福寺の概要 東明山興福寺は、長崎県長崎市に位置する歴史ある寺院で、黄檗宗に属しています。1628年に創建されたこの寺は、中国の明朝様式を取り入れた建築が特徴で、異国情緒あふれる景観が魅力です。長崎の歴史と深く結びついた寺院であり、訪れる人々に静寂と美しさを提供しています。 歴史と背景 興福寺は、1628年に創建されました。江戸時代初期、中国からの渡来僧である黙子如定(もくすにょじょう)によって設立され、中国との交流が盛んだった当時の長崎において、重要な役割...»
フランス人マルマン神父の設計と指導、黒島カトリック信徒の献金と労働奉仕で、1902年に完成。 基礎に特産の黒島御影石を積み、40万個のレンガを使った、レンガ造り(一部木造)の天主堂。 長崎県では大浦天主堂(国宝)に次ぐ重要文化財指定。 黒島天主堂の概要 黒島天主堂は、長崎県佐世保市の黒島に位置するカトリック教会です。この教会は、黒島のキリシタン信仰の象徴として知られ、1897年に建設されました。黒島天主堂は、ゴシック様式の美しい建築と、長い歴史を持つ信仰の場として、多くの観光客と信者に愛されています。 歴史と背景 黒島天主堂の歴史は、キリスト教が日本に伝来した16世紀に遡ります。江...»
1928年に発見され、1936年に国の天然記念物に指定された長崎県下唯一の鍾乳洞。 海底が隆起したあと、浸蝕作用で石灰質が堆積してできたもの。洞穴は全長1050メートル以上、250メートルまで公開している。 洞内の平均気温は14度、美しい清水が流れ、高さ約10メートルの清水の滝や約4メートルの大石柱があり自然が作り出した鍾乳石の彫刻が幻想的な世界を演出している。 七ツ釜鐘乳洞の概要 七ツ釜鐘乳洞は、福岡県北九州市に位置する天然の鐘乳洞です。この洞窟は、その美しい鍾乳石と独特な地形で知られており、多くの観光客が訪れる人気のスポットです。洞窟内には、数百万年かけて形成された壮麗な鍾乳石が点...»
世界に生息するペンギン18種のうち9種を飼育しています。そのうち6種の繁殖に成功しており、飼育種と繁殖種の数は、いずれも「日本一」です。 バーチャルシアターでは実写にCG(コンピュータ・グラフィックス)の映像を専用のメガネをかけて見ることで、水中に潜ったような疑似体験ができます。 長崎ペンギン水族館の概要 長崎ペンギン水族館は、長崎県長崎市に位置する水族館で、特にペンギンの飼育展示で有名です。2001年に開館し、世界最大級のペンギン展示施設として知られています。この水族館では、9種類のペンギンをはじめとする多様な海洋生物を観察できるだけでなく、ペンギンとのふれあいや学習体験を通じて、海洋...»
通称は森岳城。1618年から松倉重政が7年3ヶ月の歳月を費やして島原半島中央部の森岳に築城。子の勝家は島原の乱の責任を問われて所領没収・断罪。 以後、高力忠房、松平忠房らが城主となり、松平氏の時代に明治維新を迎えた。 昭和39年に、天守閣が復元されたほか、巽の櫓や丑寅の櫓が復元され、それぞれ北村西望記念館や民具資料館になっている。 松倉重政(1573-1630)江戸初期の大名。家康に仕え、大坂の陣の後は島原領主。領内キリシタンの弾圧は有名。その苛政は島原の乱の因ともなった。 島原城の概要 島原城は、長崎県島原市に位置する歴史的な城で、別名「森岳城(もりたけじょう)」とも呼ばれます。江...»
城の建築方法としては珍しい山鹿流によって建てられた城。1707年に築城。城内には平戸藩時代の遺品や文化財などを展示している。 天守閣からの眺めが素晴らしく、黒子島の原生林(天然記念物)や平戸大橋が望める。 平戸城の概要 平戸城は、長崎県平戸市に位置する歴史的な城で、別名「亀岡城」とも呼ばれます。江戸時代初期の1613年に松浦鎮信によって築城され、その後の平戸藩の政治と軍事の中心として機能しました。現在では観光名所として、多くの訪問者がその歴史と美しい建築を楽しんでいます。 歴史と背景 平戸城の建設は、1613年に平戸藩主である松浦鎮信によって開始されました。平戸は、古くから海外貿易の...»
東地区の記念像地区、原爆落下中心地地区、長崎原爆資料館地区と、西地区の「スポーツのゾーン」、「広場のゾーン」を含む総合公園。 長崎県の平和公園の概要 長崎県の平和公園は、長崎市に位置する歴史的な公園で、1945年8月9日に投下された原子爆弾の被害を忘れないために設立されました。この公園は、平和への願いを込めたモニュメントや彫刻が点在し、多くの訪問者が平和の重要性を再認識する場所となっています。 設立の背景と歴史 長崎平和公園は、第二次世界大戦中に長崎に投下された原子爆弾の犠牲者を追悼し、世界の恒久平和を願うために設立されました。爆心地から北へ約500メートルの場所に位置し、1955年に...»
佐世保にアメリカ文化「ハンバーガー」がやって来たのは、昭和25年頃。戦後間もないその当時、アメリカ海軍からレシピを聞いて作り始めたのが始まり。近年全国的にも注目され、佐世保市内にあるこだわりのバーガーショップには、週末や連休などには行列が出来る程の人気となっている。ひとつの決まったスタイルのハンバーガーを指していうのでなく、佐世保市内の店で提供される「手作りで」「注文に応じて作り始める(作り置きをしない)」ハンバーガーの総称。...»
パリパリに揚げた細麺にとろみのついた具だくさんの「あん」をかけて食べる料理。長崎では好みによってウスターソースやお酢をかけて楽しむ。 長崎県の伝統的な料理です。名称からはうどんの一種と思われがちですが、実際には細麺を使用したものは中華料理の「炸麺(かた焼きそば)」に近く、太麺を使ったものは「炒麺」や焼きうどんに近い料理です。 この皿うどんは、長崎市の中華料理店「四海樓」の陳平順が、「炒肉絲麺」(麺と細切り肉を炒めた焼きそば)をアイデアにして考案しました。彼はちゃんぽんを出前用にアレンジし、配送中に汁がこぼれないようにするために少なめの汁で作られました。ちなみに当時の長崎ではちゃんぽんの出前...»
長崎県小浜温泉は明治時代から湯治場として賑わい、100年以上前から名物料理として古くから親しまれているのが“小浜ちゃんぽん”だ。長崎、天草と並び「日本3大ちゃんぽん」のひとつに数えられる。地元橘湾でとれた海鮮を具に出汁に使用し、あっさりとしながらコクのあるスープが極太のもっちり麺によく絡む。 長崎県雲仙市小浜町で独自に発展した小浜ちゃんぽんは、豚骨や鶏ガラをベースに地域特産のカタクチイワシを用いた出汁が特徴です。そのまろやかなスープが際立ちます。小浜温泉は雲仙岳麓に位置し、昔からの温泉地。大正時代に長崎ちゃんぽんが小浜から天草へ広まり、そこで独自の進化を遂げました。...»
トンカツ、ピラフ、スパゲッティなどをひとつのお皿に盛りつけたワンプレート料理。近年まで地元の人たちは長崎独特の文化とは知らなかった程定着したメニューとなっている。トンカツがチキンカツやハンバーグになったりと、長崎ではさまざまなトルコライスが楽しめる。ただし「トルコ」の名を冠してはいるが、トルコ料理に同じものは無い。...»
「地産地消」「歴史・文化」を反映した大村市のご当地カレー。織田信長の日本統治時代に、日本で始めて「天正遣欧少年使節」が大村よりローマへ旅立った。インドを経て日本に帰還し、大村にカレーのスパイスを始めて持ち込んだという。中心市街地の長崎街道(シュガーロード)が、昔から砂糖を使った甘いお菓子で有名。そこで「甘い」と天正遣欧四少年使節のスパイスから「辛い」を取って「大村あま辛黒カレー」を開発。フルーティーな甘さと、あとから追いかけて来るようなスパイシーな辛さが交わって絶妙な味を生み出している。...»
長崎ちゃんぽんは、全国的に知られるご当地麺料理で、太い麺と豚肉や魚介類、野菜を具とした、たくさんの具材が特徴です。九州を中心に、長崎ちゃんぽんの影響を受けたご当地ちゃんぽんが広がっています。 明治時代中期に、中華料理店の店主である陳平順が、長崎県にいる中国人達に安くて栄養価の高い食事を提供するため、福建省で自身が食べていた料理をベースに考案したのが「ちゃんぽん」の発祥とされる。その後、汁気の多いちゃんぽんを配達しやすくするため、陳平順がスープにとろみをつけたのが「皿うどん」のはじまりといわれ、現在では、油で揚げた細麺と焼いた太麺で作られる2種類がある。 長崎県のちゃんぽんは、福建省の料理を...»
日本名水百選に選ばれる美味しい雲仙岳の伏流水と厳選した小麦粉・国内産石臼研ぎ粉を配合したもので仕込む。塩は対馬の美しい海から採れた、ミネラル豊富な天然藻塩を使用。小麦粉の粘りを出すため、何度も手作業で「熟成」と「延ばし」を繰り返し、少しずつ糸のような細さまで引き伸ばす。それにより麺の中のすき間がなく、組織が密になる。茹でても膨張が少なく、「つるつる感」と「もちもち感」を最大限に引き出す。匠と呼ばれる技術を持つ職人が魂と愛情を練り込んで創り上げた手延べそうめんが味わえる。...»
島原藩領だった島原半島一帯で作られている郷土料理。島原の乱の時、一揆軍の総大将天草四郎が農民たちに餅と兵糧としてたくわえさせ、山や海から色々な材料を集めて雑煮を炊き、栄養をとりながら約3ヶ月も戦ったと言われる。...»
磯の味わい深いさざえを使用した、福岡県のデパ地下で全国お取り寄せランキング上位に輝く、人気のご当地カレー。丁寧に裏ごししたさざえのワタを、数種類のスパイスとともにカレーのルーにブレンド。さざえの旨味がギュッと詰まったコク深い大人のカレーである。海流の強い磯場が良い漁場といわれるさざえ。黒潮踊る玄界灘で育まれた上質なものを吟味。漁場、時期、海流を匠の目利きで厳選したさざえは、歯ごたえ十分。贅を極めたまさに大人のカレー。...»
島原そうめん蜂は、南島原の代表的な特産品である島原手延べそうめんを使ってそれぞれのお店が工夫を凝らした様々なメニューを提供している。 島原そうめん鉢の定義は、1 .島原手延べそうめんを使うこと。2.食材はなるべく島原半島の物を使うこと。3.器は同じものを使うこと だ。なんといっても島原そうめん鉢の特徴はそうめん鉢に使用されている器。どの店舗でも、島原キリシタン文化の象徴である花クルスが描かれた各店オリジナルの波佐見焼が使用されている。風合いの異なるご当地の器で食すそうめん料理は、新しいご当地B級グルメの楽しみ方を教えてくれる。...»
焼き上げた後、楽焼の器で蒸し上げるのが特徴。香ばしさを残したまま、口のなかでとろけるようなふっくらとした味わいが楽しめる。昔天然うなぎが生息していた本明川の両側にはうなぎの割烹や専門店が軒を連ねており、それぞれのお店が秘伝のタレでうなぎを焼き上げる。...»
春先から初夏にかけて脂がのり、最も美味しい季節を迎える天然の真鯛にタレをつけて並べ、熱いお茶を回して食す贅沢な一品。お鯛の表面がほんのり白くなって、鯛の上品で淡白な美味しさがさらに引き立つ。...»
しっぽくとは、卓のことであり、しっぽく料理とは卓上の料理そのものを指す。 上座も下座もない円卓を囲んで、和気あいあいと四季折々の地元の食材を調理した料理を楽しむ。様々な国や街から人々が集った長崎ならではのスタイルであった。...»
長崎の肥前藩邸に出入りするうちに、茶碗蒸しに魅せられた四国伊代藩士の吉田吉宗信武が、忙しい人に簡単で美味しいものが出せないかと、茶碗蒸しと蒸し寿司をセットで出したのが始まりと言われている。蒸し寿司は、温ずし(ぬくずし)とも呼ばれる関西以西に伝わる温かいバラ寿司の事である。...»
短冊切りにしたなすびを塩もみにしてアクを抜き、にんじんは千切り、しらす干、油抜きしたうす揚げを短冊切りしたものを油で炒め、砂糖・醤油・みりんで味付けしたものを炊きたてのご飯に混ぜ、飾りにオクラの薄切りをのせる。なすび意外の野菜は各家庭の特色があるようだ。晩夏の食欲増進の意味合いもある、家庭ならではの味ご飯である。 旬 8月 9月...»
みりん干しは、水飴(みずあめ)、みりん、砂糖、化学調味料、食塩などでつくった調味液に浸漬後、水切りして乾燥した干物。軽くあぶって食べると、香ばしいく食欲を誘う。長崎県では、五島で獲れた旬のあじを平戸の醤油を使った秘伝のたれでみりん干しにしたものなどがお薦め。焼くとふわふわ、身もぷりぷり。平戸の醤油を使った秘伝のたれが魚本来の旨み存分に引き出す。魚自体に脂がのっていると、甘いみりんの味わいと良く合い絶品。アツアツ御飯にも、酒の肴にもぴったりで、長崎の豊な海の幸が堪能できる。...»
豚の角煮のことで、卓袱(しっぽく)コースの中の代表的な料理のひとつ。主に豚の三枚肉を材料とし、柔らかく煮て調理。中国の著名な詩人、「蘇東坡」が好んだことから、この名で呼ばれるようになったと言われている。中国の東坡肉(豚ポーロー)と同じく、ほろりと柔らかで、トロトロの食感が筆舌し難い美味しさ。ちなみに卓袱料理とは、長崎市発祥の大皿に盛られたコース料理。円卓を囲んで味わう中国料理や西欧料理が日本化した宴会料理である。...»
”ヒラス”とは長崎の呼び名で、一般的には”ヒラマサ”と呼ばれる魚だ。近海で天然のヒラスが多くとられることから、長崎ではとてもポピュラーな魚で、一般的にマグロが用いられる鉄火巻きの具にヒラスが用いられるほどだ。白身魚のヒラスで作られた鉄火巻きの具は白く、”白い鉄火巻”として観光客等の食のターゲットとなっている。新鮮なヒラスは、臭みがなく、ほどよい脂ともちっとした食感が魅力で、生で食べられることが多く、その濃厚な旨みは、砂糖が含まれた長崎のしょうゆをつけてもしっかりとした味わいが楽しめる。...»
島原半島で麺類というと“島原そうめん”“ろくべえ”などが有名ですが、南島原市南有馬町では“ひょっつる”というワカメの葉をゼリー状に溶かして細めんに加工したご当地麺がある。その名前の由来は「ひょっ」と思い立ったときに「つるっ」と食べられるところからきているという。島原半島で獲れたミネラル豊富で新鮮なワカメの葉を100%原料としたわかめ麺です。タレをかけてシンプルに食べてもおいしいが、地元ではスープやサラダ、コロッケ、卵とじなどにも入れられる。ワカメ100%を原料とした低カロリーでミネラルも豊富。「豊かなワカメの香り」、「つるっとした喉ごし」、「ひょっ」「つるっ」と口の中に入ってくる感覚を楽しみな...»
島原半島が飢餓に見舞われたとき、人々を救うために六兵衛という人が考え出したとされる郷土料理。さつまいもの粉を山芋でつないだもので、汁には醤油を使い、ねぎの薬味を添えて食べる素朴な味である。 島原地域と対馬地域に江戸時代から伝わる郷土料理。調理方法に多少の違いはあるが、どちらの地域でもさつまいもから作った粉をこねてうどん状にして、つゆに入れた料理である。島原地域では1792年、眉山(まゆやま)が火山性地震で崩壊したことで、大量の土砂が有明海に流れ込み津波が発生した。それは広く沿岸部を襲い、一帯の農地を荒らし、飢饉を招いた。付近の民衆はやせた土地でも育つさつまいもを主食にして飢えをしのいだ。料理...»
乾燥させたイギス(紅藻類の海藻)を、米のぬか汁や大豆のゆで汁等を用いて煮溶かし、人参や魚、あるいはピーナッツなどの具を練りこみ、羊羹状に固めたもの。冠婚葬祭の席によく供され、食べられている。名称の由来は原材料の海藻、「いぎす」がなまったものとされている。いぎす豆腐、おきゅうとなどと同系統の食品。 つるっとしたのど越しが特徴。愛媛から伝わった郷土食 “いぎりす”とは、“いぎす”という海藻を溶かしてようかんのように固めたもの。のどの通りのよさが特徴の素朴な郷土料理です。食卓には、切って大皿に盛って出されます。 いぎすを食べるようになったのは、島原の乱後、この地に移住してきた四国の人たちの影響と...»
長崎県の五島列島で作り続けられてきた手延うどんは「幻の五島うどん」と呼ばれている。たっぷりのお湯でゆで上げたあつあつのうどんをしょうゆやあご(トビウオ)だしのたれで食べる「地獄炊き」が地元では定番。 地獄炊きの名は、初めて食べた旅人が「しごくおいしい」とほめたのが、地獄おいしいと聞き間違えたのが、この言葉の由来であるというユニークな説も。 1000年以上の歴史を持つ五島うどん!その背景に納得 椿油を用いる麺はモチモチの食感、コシの強さ、喉ごしのよさが特徴。大きな鍋で茹でて、熱々のまま食卓へ運び、醤油と生卵を絡ませて食べる「地獄炊き」が有名。 五島列島には麺づくりに必要となるミネラル豊富な...»
海老のすり身などを食パンで挟み、油で揚げたもので、明治の頃に中国から伝わった料理。長崎の料亭で出される卓袱(しっぽく)料理の一品で、広東語「蝦吐司」をまねたハトシという呼び方で広まった。中国名の文字からも「蝦」が「海老」、「吐司」は「トースト」の意味から調理法が分かる。その後、長崎の一般家庭料理となり、それぞれのご家庭では海老に限定せず、挽き肉、魚のすり身など色々な素材を使用。世界最大の海老の消費国・日本。日本人の味覚に合っていたのも長く愛される所以といえる。 「ハトシ」は、明治時代に清国(当時の中国)から長崎に伝わった料理。中国語で「蝦多士(ハートーシー)」と書くとおり、蝦=エビのすり身を...»
長崎県の中央に位置し、西に大村湾を望む大村市の代表的な郷土料理が”大村寿司”。祝いやもてなしの席で供される押し寿司(角寿司)で、20センチ四方程度の大きさにした二段重ねの甘酢飯で、かんぴょう、しいたけ、ごぼう、はんぺん、白身魚のそぼろ等の具を挟み、錦糸卵をのせて切り分けたものだ。戦国時代に大村氏の軍勢が勝利した際、領民が兵に差し出した歓迎の料理が起源だといわれ、しっとりとした酢飯に、豊富な具材の旨みと錦糸卵の甘みが加わり、調和のとれた風味が口にふわりと広がって美味だ。 古くから大村市に伝わる郷土料理。室町時代、戦に敗れ領地を奪われた大村純伊(おおむらすみこれ)が、反攻して領地を奪還し帰還した...»
ひじきと小麦粉を練り合わせたひじき麺は、植物繊維やカルシウム、鉄分、カリウムなどのミネラルを豊富に含み、そばアレルギーの人にも安心なヘルシー麺。成分分析から発案・研究されたひじき麺は、独特な食感を持ち、一度食べたら忘れられない味。ひじきを使用しているかが、黒っぽいものではなく、外見は日本そば風の馴染み易い色。磯の香りがほのかに漂い、つるりとした喉ごしが食欲をそそる。冷たいつけ麺、温かいかけ麺、両方ともに美味。長崎県産ひじきは、全国一の漁獲高を誇る。...»
「あご」とはトビウオのこと。日本近海で春と夏に北上、秋に南下する。春に漁獲される“はまびうお”は「春とび」として珍重され、刺身や塩焼きが人気。トビウオの飛行は“まぐろ”などの大型魚から身を守るための自己防衛手段が発達した結果といわれている。長崎では秋に平戸周辺で行われるアゴ漁が有名。「あご」の出汁はおいしく長崎では「焼きアゴ」として正月の雑煮に利用される。個性的な甘みのある上品な出汁が取れ、お吸い物や味噌汁・麺つゆにしても◎。そのまま食べても美味しいが、軽く炙っていただくと更に美味しく味わえる。 旬 8月 9月 10月 11月...»
玄海灘に浮かぶ壱岐の名物「うに」。島周辺には漁場が数多くあり、海士・海女は全島で300人以上。収穫期は春から夏で、赤ウニ・紫ウニ・バフンウニが取れる。美しい海で豊富な海藻を食べて育ったうには、大粒で身が締まっておりプリッとした舌触り。甘味が強く濃厚で、一粒一粒がしっかりとした深い味わいだ。海女達がウニ漁の合間に作って食べたのが「うに飯」と「うに丼」。「うに飯」は生ウニと醤油だけで炊き込んだもの。生ウニを熱いご飯の上に乗せて醤油を垂らしたのが「うに丼」。どちらもシンプルかつ贅沢な食べ物だ。 旬 1月 5月 6月 7月 8月 9月 10月...»
長崎市の野母崎(のもざき)の近海は、伊勢エビの好物である小魚やムール貝などが豊富に生息しており、それらをたらふく食べて育った野母崎産の伊勢エビは、たっぷりと肥えているだけでなく、濃厚な味と伊勢エビ本来の甘みを堪能できる。伊勢エビ漁が解禁される8月末~9月末の時期には、長崎市で有名な「伊勢エビ祭り」も行われ、伊勢エビを丸ごと1匹使った伊勢エビ丼や、生きたままの伊勢エビをそのまま焼いて食べる浜焼きなどが楽しめる。グッとしまった身からあふれる旨みを堪能してもらいたい。 旬 1月 2月 3月 4月 8月 9月 10月 11月 12月...»
長崎県諫早市は、国内でも有数のスッポン養殖地。街のあちこちに、亀模様のレリーフなどが見られるほど、亀と密接な関係にある。そんな諫早市の郷土料理と言えば、スッポン料理。完璧に管理され、養殖された安全で健康的なスッポンを使用し、伝統の手法で料理した逸品。スッポンには、良質のたんぱく質やアミノ酸、ビタミンA・B1・B2・Eなどが豊富に含まれ、疲労回復にも効果があると言われている。注目されているコラーゲンが摂れることから、最近では女性にも大変人気の高い美容食になっている。...»
長崎市の新三重、みなと、野母崎は巻き網漁の基地になっており、年を通して新鮮なイワシが水揚げされている。中でも、煮干の原材料になるウルメイワシの漁獲量では、長崎県は日本第三位の漁獲量を誇っており、それぞれの漁港の近くでは、その新鮮なイワシを使った”煮干”作りが行われている。カルシウムを筆頭にした栄養たっぷりの煮干は、そのままおやつやおつまみとして楽しむだけでなく、うどんやそば、味噌汁の出汁に使っても深い味わいが出て美味だ。 長崎の自慢、煮干しいりこは、日本一の生産量を誇っています。これらの煮干しは、多くの料理で使われており、その生産量は全国の煮干しの約3分の1を占めています。なぜなら、煮干しの...»
長崎市の冬の味覚であるナマコは、市内各地で水揚げされているが、その中でも全国的に知名度があるのが、ブランド化されている”大村湾ナマコ”。緩やかな潮流が特徴の大村湾で育ったナマコは、身のやわらかいだけでなく、ぐっと反発するしっかりとした食感が小気味良く、噛むほどに潮の香りが口中で広がる。ナマコの一般的な調理法は、薄く切ってもみじおろしとポン酢でいただくというシンプルなもの。中華料理にもたびたび用いられる食材で、特にナマコを干した干ナマコはより珍重な素材として、高価で取引されているようだ。 旬 1月 2月 11月 12月...»
長崎市の琴海地区でとれる大村湾産モズクは細モズクといわれ、他の産地のモズクと比較して細いが、コリコリした歯ごたえが特長。喉越しのよいヌルリとした中に含まれる「フコダイン」は、海草の中でも特にモズクに多く含まれ、成人病予防に効果があるといわれている。春先が旬で、琴海地区の直売所では、新鮮なモズクを手頃な価格で購入できる。家庭で食べる時は、二杯酢やポン酢のタレをあわせて食べるのがおすすめだ。 旬 3月 4月...»
長崎県の島原ではフグのことを“がんば”と呼びます。呼び名の由来は、江戸時代に猛毒を持つフグを、当時の藩主食ベることを禁じる「フグ食の禁令」を出したときに、それでも危険をかえりみずおいしいフグを食べる人が後を絶たなかったそうです。そのことから「棺(ガン)ば(を)そばに用意してでも食べたい」食という意味で、フグをがんばと呼ぶようになったといわれています。五島灘やその周辺にいるトラフグは、3月から5月にかけて有明海まで産卵にやってきます。島原湾はその季節がフグ漁の最盛期で、そのトラフグを使ったものが「がんば料理」です。とても美味しいため、近年では天然ものだけでなく、養殖トラフグや有明海産ナシフグも登...»
ふぐのなかでも一番の高級魚といわれる「とらふぐ」。日本有数の生産量を誇る新松浦漁業協同組合が生産するとらふぐの中でも、特に松浦市鷹島近辺の自然豊かな海で育てられたとらふぐは、九州各地から関西までの広い範囲に出荷されている。玄海の荒波でもまれ身の引き締まった松浦とらふぐは、食用とされるフグの中で最高級とされ、さっぱりとした味わいが特徴。肉に弾力があり、薄造りにして食べるふぐ刺しは、特有の歯ごたえが極上の味わい。唐揚げや照り焼き、白子、ちり鍋も美味。昔からその名の通り「福をよぶ魚」と言われる縁起物。 旬1月 2月 12月...»
別名「クエ」。大きいものでは重さ30キロにもなる幻とよばれる高級巨大魚。養殖が難しい為、なかなか市場には出まわらない希少品。釣りの世界でも幻の魚として有名で、ベテランでも釣り上げるのが難しい魚だ。旬は脂が乗る秋から冬にかけて。コクがあるのにクセがなく、鯛とヒラメを合わせたような味が特徴。多くの食通を呻らせる味覚は極上の一言。刺身、塩焼き、煮物にしても美味しいが、特にオススメなのは鍋料理。「鍋の王様」と呼ばれるのに相応しい最高の味わい。 旬 10月 11月 12月...»
長崎県佐世保の九十九島は海岸線がリアス式の形状になっており、潮の干潮の差が大きく、プランクトンが多く発生する場所。この豊かな海で、十分に養分をとって育ったのが、佐世保の名物“九十九島カキ”だ。磯の風味豊かで身が引き締まったカキは、やや小粒ながらも濃厚な味わいと深いコクを持つのが特長。旨みを閉じ込めたまま、殻付きで焼いたり蒸したり、その他、カキ鍋や、出汁もまるごと味わえる炊き込みご飯、ジューシーな旨みが堪らないカキフライ、と多彩に楽しみたい。 旬 10月 11月 12月 1月 2月 3月...»
玄海灘に浮かぶ浮島、壱岐は、日本有数のケンサキイカの産地。”壱岐剣”とは、その壱岐の豊かな海で育った胴長35センチ以上のケンサキイカで、手釣りで漁獲されたものから傷がない物だけを選別し、氷焼け対策を施した独自開発のトレーに素早く並べられて、鮮度を保持したまま冷凍されたものだ。新鮮なイカの特長である透明感が長持ちし、とれたての美しさとおいしさが味わえる。ヤリイカと似ているが、胴がやや太く身が厚いため、噛むほどに増す甘みが堪らない。旬は春~夏。ぜひ刺身で味わいたい。 旬 3月 4月 5月 6月 7月 8月 ...»
秋から冬にかけて来遊する幼魚を1尾ずつ丁寧に釣り上げ、対馬海流がリアス式海岸へと潮を流す浅茅湾尾崎地区と三浦湾で、2~3年かけて飼育した養殖クロマグロ“トロの華”。約10年もの歳月をかけて成功させた養殖技術の賜物で、今や築地市場の仲買人からも絶賛される最高級品だ。ほど良くしまった身ととろける脂は、まずは刺身で味わうのがおすすめ。地元では、様々な料理で“トロの華”が楽しめるので、アレンジされたその味を食べ比べてみて欲しい。...»
長崎市は全国でも有数のヒラメの水揚げ量を誇っており、三重、戸石、野母崎・三和地区で天然ものが水揚げされている。天然のヒラメは、身が厚く、脂がのっており、上品さを感じさせる甘みが堪らない。高島ではヒラメの養殖が盛んに行われており、”高島ヒラメ”として特産品化もされている。ヒラメは和食、洋食、中華料理と幅広く使われ、刺身からムニエルまで様々な料理で食べられているため、地元でも人気の食材のひとつだ。 旬 12月 1月 2月...»
長崎では、古くよりクジラ肉が親しまれており、クジラの漁獲が制限された現在でも、クジラが食べられる飲食店が40店ほどある。刺身や鍋やフライなど多彩な料理で提供されており、飲食店だけでなく、クジラの様な大きいものを食べるのが吉兆とされていることから、家庭でも正月にクジラ肉を食べる習慣がある。クジラは肉だけではなく、稀少品のひゃくひろ(小腸)も好まれており、最近はクジラが貴重になり、高級品となったこともあって、贈答品として購入されることが多いようだ。...»
海岸線の長い長崎県は、美しい海に恵まれており、五島列島や北部の松浦地方ではサバの水揚げ量が多い。「鯖の生き腐り(さばのいきぐさり)」とも言われるように、生きが良さそうに見えても腐っていることがあるほど傷みが早いが、新鮮なものは刺身で食べても脂がのっていて美味。旬は秋から冬で、振り塩で香ばしく焼き上げた塩焼は、ふっくらとした身の美味しさが堪能できる。酢で〆た「しめさば」(関西では生寿司と呼ばれる)や、味噌煮も独特の甘みと風味が良い。最近では「長崎ハーブ鯖」という養殖物も注目されている。 旬 10月 11月 12月 1月 2月...»
長崎県は”マダイ”の漁獲量において全国でもトップクラスで、東京や大阪にも出荷され、美食家の舌をうならせている。そのマダイが3~5月の産卵期になると、体色が桜色になり、桜が咲く時期と重なることから、地元では”桜鯛”とも呼ばれ、その旨みがあふれる味わいから人気食材のひとつとなっている。現地の長崎では、桜鯛の鮮度をいかして刺身や姿作りで食べられることが多い。飲食店によっては、透き通るような薄作りの刺身にされるが、これは酸素との接点を増やすことで、より締まった味が楽しめるようになるとのことだ。 旬 3月 4月 5月...»
乾燥ひじきは保存食として通年流通しているが、旬を迎える春は、生ひじきを味わうことができる。昔から良質なひじきが獲れる長崎県。綺麗な空気と美しい海が育んだ貴重な国産のひじきは、口に入れると豊かな磯の香りが広がる逸品だ。低カロリーで、多くのミネラルを含んでおり、中でもカルシウム・鉄・食物繊維が特に多い食品。ひじきは褐藻類ヒバマタ目の海藻で、北海道南部から九州までの沿岸の潮間帯下部の岩上に生育する。主枝は円柱形で、長さ20センチメートル~1メートル。長さ3~4センチメートルの小枝を多く出す。 旬 2月 3月 4月 5月...»
冬の味覚を代表する魚。長崎の中でも平戸沖や壱岐などが有名で、天然物の漁獲高は、日本でもトップクラスだ。天然物は臭みがなく、身の締まり、脂ののりが抜群で、ブリ本来の味を食すことができる。コクのある味わいとプリプリの食感を楽しめる刺身やしゃぶしゃぶがおすすめ。アラ・カブト・カマなどを捨てることなく味わえるのも特徴だ。旬の大根を合わせた「ブリ大根」は、アラからでる脂ののった旨味が大根に染み込み、ご飯のおかずとしても酒の肴としても人気である。 旬 12月 1月...»
長崎産は”トラフグ”の漁獲量で日本一を誇り、下関をはじめとするトラフグの人気のエリアに出荷されている。長崎市内の中では、戸石地区でフグの養殖も行われており、11月末に開催される「戸石とらふぐかき祭り」では、地元産のフグとカキが手ごろな価格で食べられる。長崎産のトラフグの特徴は弾力のある身とさっぱりとした味わい。長崎市内では、”ふぐ刺し”、”ちり鍋”、”巻き寿司”や”サラダ”、”唐揚げ”など、様々な料理で楽しめる。 旬 10月 11月 12月 1月 2月 3月...»
”ハモ”は、長崎市の以西、茂木や戸石地区での底引き、はえ縄などで水揚げされるものが多い。長崎のハモは5月頃からとられ、京都で行われる祇園祭の時期がくると、大半が京都に送られるため、県内に出回る数は減ってしまう。これは”ハモの湯引き”が京都の祇園祭に欠かせない料理となっているためで、この時期に漁獲された長崎県産のハモの多くは京都で消費されるようだ。ハモの湯引きとは、小骨が多いハモを開いた後、食べやすいように骨切りを施してから湯通ししたもので、ハモの身が白い花のように開いた外観が食卓に涼を呼ぶ。 旬 5月 6月 7月 8月...»
大きなサイズを誇る“小長井牡蠣”は、身入り、味ともに抜群の美味しさ。この海域で獲れる牡蠣は、「太良岳山系」から滋養に富んだ天然水が流れ込むため、エサとなるプランクトンが多く、恵まれた環境で大きく育つ。普通、焼くと身が縮んでしまうが、焼いた後もプリプリ感があり、貝柱もホタテ並みの大きさ。目の前に広がる栄養豊富な有明海の恵みによって育てられた、質の高い小長井牡蠣は、他の地域の牡蠣と比べ、アミノ酸含量が高いのが特徴。牡蠣は海のミルクと呼ばれるほど優れた栄養価がある。 旬 10月 11月 12月...»
”タチウオ”は水深400メートル程度の泥底を好んで生息しており、長崎県の沿岸域近海にある深海層での漁獲が多い。釣り針にかかったときの引きが強いことから、漁師だけでなく、一般の釣り人のターゲットとしても人気があり、長崎県の沿岸域は、タチウオ釣りが楽しめるポイントとしても知られているようだ。タチウオは白身魚で食べやすく、刺身、塩焼き、照り焼き、フライ、煮付けなど、様々な料理で用いられる。身だけでなく、骨も食材とされ、フライにして酒のつまみなどで楽しめるようだ。 旬 7月 8月 9月 10月 11月...»
長崎県は真アジ漁が盛んで、その品質も評価を高い。その中でも、野母崎沖で一本釣りでとられたもので、体長が26センチ以上、重さ300グラム以上のものは、最高級のアジとして”野母んあじ”というブランド銘がつけられる。一本釣りは、漁獲の際に魚に傷がつきにくいという長所があるが、野母んあじの漁はそれに加え、釣り上げてからも手を触れずに、竿から船内の生簀へそのまま放たれ、自然の状態を出来る限り維持しながら市場へ出される、という徹底振り。漁師の技と魚への愛情があってこそうまれたブランド魚だ。 旬 9月 10月 11月...»
長崎沖の海底山脈「長崎海脚」の砂礫底や、水深50~200メートルの深海部には、”レンコダイ”が生息しており、長崎市の各漁港に水揚げされている。レンコダイは、見た目が鮮やかなことから、祝儀の際に塩焼きにして出されることが多い魚だ。また、塩焼き以外にも煮付けや吸い物にしても味が良いため、地元でも人気がある食材。タイ科のレンコダイは、エビ、イカ、カニ、小魚を食べて成長し、初夏と秋の年2回産卵を行う。漁が行われるのは4~8月の間だけ。限られた時期にしか食べられないめでたい魚だ。 キダイは、スズキ目スズキ亜目タイ科に属する美味しい食材として知られる魚です。この魚はレンコダイ(連子鯛)とも呼ばれ、釣りや...»
”ミズイカ”とは長崎での呼び名で、一般的には”アオリイカ”と呼ばれているイカだ。主に野母崎地区・三和地区、三重地区、戸石地区、外海地区などで、釣りや定置網などで漁獲されていて、しっかりとした厚みがある身のぷりっとした歯応えと、口に広がるイカの甘みがおいしい。ミズイカは、鮮度のいいものほど透明に近く、新鮮なものは活き造りをはじめとする刺身で食べるのがおすすめ。砂糖を混ぜ込んである長崎の濃厚なしょうゆとの相性も良いので、ぜひあわせて楽しんで欲しい。 旬 10月 11月 12月...»
“アラカブ”とは一般的に“カサゴ”と呼ばれる魚で、脂身のコクと甘みがおいしい魚だ。特に島原半島と天草の海峡は、早崎瀬戸と呼ばれる潮流が早いことで有名な地域で、ここでとれたアラカブは身がしまっていて味が良いと、長崎県のブランド魚“早崎瀬戸あらかぶ”としても認定されている。 脂身がおいしいアラカブは、焼く、煮る、揚げると様々な調理と相性が良く、鮮度が良いものは刺身でもおいしい。アラカブの旬は2~3月。この時期に島原を訪れたらぜひ食べて欲しいもののひとつだ。 旬 2月 3月...»
百尋とは鯨の(小腸)の部分。鯨の小腸がとても長いことから名づけられた。鯨の中でも最高級珍味として知られ、うまみが凝縮された部位。ほかの部位と比べて、風味が強くしっかりとした鯨本来の味を楽しむことができる。地球上で一番大きくて長い鯨の腸ということから、正月の縁起食材としても珍重されている。イワシ鯨またはナガス鯨の腸を洗浄加工。貝のような食感で噛めば噛むほど味が出る。ボイルで仕上げているので、スライスして酢味噌やポン酢で味わう。大きい百尋は、1枚6cm~10cmの輪切。...»
”ガザミ”とは、”ワタリガニ”のこと。長崎では茂木、戸石、野母崎地区での漁が盛んで、主に底引き網漁でとられる。水揚げされたガザミの多くは県外へ出荷されているが、築町市場の魚屋では、その日の朝にとれたばかりの身がぎっしりと詰まった新鮮なガザミが購入できる。ガザミのおすすめの調理法は、ボイルした後にゆずをかけて、ポン酢を付けて食べるというシンプルなもの。弾力のある身のぷりぷり食感と、口中に広がる潮の香りでガザミの魅力を堪能して欲しい。 旬 11月 12月1月 2月...»
長崎では、戸石地区で”カキ”の養殖が盛んに行われているが、その多くが県外へ出荷され、地元での消費は少ないという。そこで、地元のカキの質の良さを知ってもらおうと、毎年11月の末に戸石漁港にて「戸石とらふぐかき祭り」が開催されるようになったようだ。会場内では、その場で焼いて食べられる豪快なカキ焼きや、とれたての新鮮なカキが手頃な価格で販売されており、地元民はもちろん、観光客も十分に楽しめる内容になっているので、時期があえばぜひ参加してみて欲しい。...»
”唐人菜”は、”長崎白菜”ともいわれ、寒い時期の鍋物などの具材として活躍し、地元の人々に親しまれているご当地野菜だ。一般的な白菜の様に結球せず、葉が直立に育ち、外向きに開くという特徴があり、そのやわらかい葉と独特の風味をいかして、雑煮や卓袱料理にも使われる。栽培は時期をずらして行われ、早生もの、晩生ものが作られる。晩生のものになるほど、黄色がかった緑色の葉の緑色とシワが顕著になるようだ。唐人菜を使った漬物は、”唐人菜漬”と呼ばれ、あっさりとした味わいがご飯やお酒にあうと人気が高い。 旬 12月 1月 2月...»
高島は、元々炭鉱の町として栄えていたが、高島鉱山の閉山により人口が激減、その対策として始まった産業のひとつがトマト栽培。高島の土壌は塩分を含んでおり、トマトの原産地であるアンデスの土壌に近かったことからトマトが育てられるようになったという。塩分が多い土壌に加え、与える水と肥料を最低限に抑える「スパルタ農法」で作られる”高島トマト”は、植物が本来持っている生命力を発揮しながら力強く育ち、糖分が高くなるという。こうして出来た高島トマトの実は、メロン並みの甘さを持つフルーティーな味が楽しめる。 旬 2月 3月 4月...»
”紅大根”という名称を持つが、本来はかぶの一種。大根のような細長い外観を持つことから、紅大根という俗称がうまれ定着したようだ。ビタミン類や消化を助ける働きを持つ酵素などの栄養分を実に含むだけでなく、葉にも鉄分、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれている食材だ。長崎では江戸時代より、節分の日に祝いのさかなとして、紅大根の酢の物と”カナガシラ”の煮つけを食べる風習がある。これは紅大根を「鬼の手」に見立てたもので、輪切りにして塩をかけた紅大根を神棚のそばに置いてから食べられる。 旬 1月 2月...»
島原市や南島原市を中心に栽培が盛んな春はくさい。なかでも島原市のはくさいは、長崎を代表する春野菜のひとつ。しゃきしゃきとした歯ごたえとクセのない甘みが好評。古くから中国との交流が盛んだった長崎。ターサイや山東菜などが作られていて、外観・品質の優れた新しいタイプの品種が生まれた。 人気は県外にまで広がったが、谷あいで交雑しにくい地形の長崎でのみ「長崎はくさい」の品種系統が守り育てられている。栽培農家が減少し、市も巻き込んだ原種の保存活動が展開されている。 旬 11月 12月...»
長崎の伝統野菜のひとつで、現在最も多く生産されている。性質に多少バラつきがあるが、根部の光沢のある紫赤と根先の白味をおびた色は絶妙。肉質は柔らかく、独特の風味と香りが特徴。三昧漬け・漬物・なます・煮物等に利用される。漬物・酢の物などでは、紫色を出すアントシアンが白い肉をピンクに染め、色調が美しい。食味はとてもよいが、2月に入ると、とう立ちが始まるのが栽培上の悩み。根と葉を切り分けて冷蔵庫に保存。葉は黄変しやすいため、早めに使いきるのがオススメ。 旬 10月...»
長崎県を含む北九州エリアでは、アスパラガスの栽培が盛んで、全国でもトップクラスの出荷量を誇っている。それは、九州の温暖な気候がアスパラガスの栽培に適しており、東北地方や北海道といった栽培が盛んなエリアに比べても、同じ面積の農地でも大量のアスパラガスが収穫できるのが大きな理由のようだ。栽培されている品種も、太さが500円玉ほどもある“王様アスパラ”から、10センチ程度の長さで出荷される“ミニアスパラ”まで様々。それぞれの品種を考え、農薬や科学肥料の使用を可能な限り抑えて、大地の栄養をいかす土づくりをモットーに栽培されている。 旬 3月 4月 7月 8月 長崎王様アスパラ 期間限定の極...»
野沢菜や広島菜とあわせて、日本の三大漬け菜といわれている”長崎たかな”。ちりめん状に縮んだ細長い葉は、緑に紫を帯びた色あいで、60~70センチ前後にまで生長する。葉数が少ない割りに重量が重く、一株1キロを超えるものも珍しくない。漬物用の素材として非常にポピュラーで、浅漬にすると、穏やかな辛味と香りが楽しめ、本漬けにすると、ピリッとした辛みが出るため、炒飯などの炒め物や、ラーメンのトッピングとしてよく使われる。...»
長崎県と佐賀県の境目にある木場山地区の豊かな自然のなかで、クヌギの木に直接菌を植え付けて栽培される“原木しいたけ”。山の自然の恵みをたっぷりと受けて育つしいたけは、肉厚で格別の味と香りが楽しめる逸品。食べるだけでなく、クヌギの木への菌打ち体験や、しいたけ狩り、とれたて素材のバーベキューなど、家族で楽しめるツアーも企画されているので、観光や旅行の予定に組み込んでみてもおもしろい。...»
成長すると、葉茎の部分に突起ができる珍しい形状の“雲仙こぶ高菜”は、突起の形が整わないなど市場での見た目の評価が難しかった。味は、アクが少なく生で食べやすいことや、シャキシャキとした歯ざわりを持つことで知られ、近年では、長崎県雲仙の特産品としても注目を集めている。現在は“雲仙こぶ高菜”の種の維持だけではなく、レシピの普及や商品化など、さまざまな活動が行われている。炒め物やサラダなどの家庭料理の他、”雲仙こぶ高菜まんじゅう”などの特産品も人気だ。 旬 12月 1月 2月...»
”辻田白菜”は明治30年代より長崎で栽培されている伝統野菜で、名称は創始者である辻田長次郎氏からとられている。日本の主な白菜の型である「結球白菜」の先駆けで、当時の白菜としては、大型で丸く結球し葉肉が厚いため、主に漬物用として利用されていたようだ。それから栽培地が広まり、一時は全国的に作られていたが、品種改良されて耐病性、生産性が高くなった白菜に押されて、辻田白菜作りは徐々に規模が縮小され、現在では、種の保存用としての規模でしか栽培されていない希少な野菜となっている。 旬 11月 12月...»
“長崎和牛”とは、肥育を目的として生産された和牛の総称。弥生時代の遺跡から牛骨や牛脂が発掘されるほど、長崎県と牛との歴史は古く、平成3年、全国6番目のブランドとして承認されている。恵まれた自然環境、塩分やミネラル豊富な牧草や海藻粉末などの飼料で、品質の高い和牛が育てられている。長崎和牛の特長は、鮮やかでやわらかな赤身の驚くほどなめらかな食感と、軽い味わいの脂身の絶妙のバランスの良さで、肉本来の旨みが存分に味わえる。まずは、シンプルなしゃぶしゃぶやステーキでその味を堪能したい。...»
江戸時代に城下町として栄えた平戸は、鎖国前は中国やオランダなどといった外国との貿易を担う港だった。南北朝時代に書かれた書物「国牛十図」によると、 17世紀初めにオランダとの商館が設けられ、牛が輸入され、その牛との交雑によって独自の和牛文化を築き上げたとあり、既に名牛の産地であったようだ。 ?長い歴史の中、牛飼のこだわりと愛情を受けて育った牛は、適度な霜降りと赤みがバランス良く含まれ、脂の少ないさっぱりとした旨みが特徴。子牛の時に胃袋を丈夫にすることで、多くの飼料を食べて大きく育つようだ。...»
神戸、松阪牛等の元牛として子牛が出荷されている壱岐牛。そのため一般的に、牛肉としての知名度はあまり高くない。歴史は古く、宮廷の牛車としても使われたと古事記に記されるほか、昔から主として使役牛として用いられていた。ところが、その肉質の良さから、但馬牛・松坂牛などの全国銘柄の肥育用子牛として用いられるようになる。長崎県の壱岐・平戸・五島等の島々に黒毛種の牛の産地が点在し、現在島内で12,000頭ほど飼育されている。...»
長崎県雲仙市が独自ブランドの食用豚として開発した“あかね豚”。雲仙岳の恵まれた自然に囲まれ、のびのびと飼育されている“あかね豚”は、地下から湧き出る天然水を飲み、米を混ぜた飼料で育てられることで、旨み成分で知られるオイレン酸を多分に含んだ、ヘルシーでおいしい豚肉に出来上がった。特に、脂ののりが良いロースは、豚しゃぶにすると絶品との評判だ。また市内では、“あかね豚”を使ったコロッケが販売されており、地元長崎の名産であるじゃがいもとの相性が良さが楽しめる。...»
紅葉で有名な雲仙山麓で育てられていることから名づけられた“紅葉豚”。島原地区の4名の養豚農家に限り飼育が許されており、雲仙山麓の豊かな自然が残る開拓地で健康的に育てられる。水は島原の天然水、エサは天然アミノ酸飼料と、その徹底的な農家のこだわりが、味が濃厚でやわらかく、きめの細かさで歯ざわりが良い、上質の豚肉を生み出している。また、販売店とも連携することで、高い品質と安全性を保持している。トンカツやステーキ、しゃぶしゃぶなど、どんな料理にしてもその味は絶品である。...»
九州長崎の西方100キロにある五島列島で飼育されている”五島牛”。その歴史は古く、福江市内の遺跡より出土した牛歯の年代測定をしたところ、弥生時代中期のもので「日本で最も古い牛の遺物のひとつ」といわれている。五島の農家は昔から家族同様に愛情を込めて牛を育てていたといわれ、潮風の吹く自然の草でのびのびと成長した五島牛は、性格がおとなしく、早熟早肥で、肉質肉量を兼ね備えている。五島牛は、特にヒレ肉の評価が高く、細かく入った霜降りはジューシーな旨みが堪らないとファンが多い。...»
ワインレッドの実と淡い赤色の果肉が特徴で、食味、香味に優れる”とよのか”と、着色に優れる”アイベリー”の間にうまれた品種だ。収穫期間が12月から翌5月までと長く、シーズンを通して安定した甘さを持ち、糖度、酸味の絶妙なバランスが楽しめる。果肉はきめ細かくしっかりとした食感。赤色が濃いのは、ポリフェノールの一種「アントシアニン」が多く含まれているからだ。ビタミンCや「キシリトール」も豊富で栄養たっぷり。いちごは、1830年頃にオランダ人によって長崎に初めて持ち込まれたといわれ、地域との馴染みも深い。 旬 12月 1月 2月 3月 4月 5月...»
長崎県の”ハウスもも”は、全国第3位の生産量を誇る。主な産地は、長崎市の琴海地区と茂木地区で、特に琴海地区のももは、12度以上というたっぷりの糖度と綿密な肉質を持つことから、濃密な甘さが楽しめると人気が高い。これは栽培時に「マルチ被覆」や「整枝」といった栽培管理をきめ細かく行った上で、出荷形態を統一することで、しっかりとした品質管理が行われるため、おいしいハウスももしか市場に出回らないためだ。ハウスももの旬は、5月から6月にかけて。その濃密な甘さを実際に食べて体験して欲しい。 旬 5月 6月...»
長崎県は全国トップクラスのびわの産地。果実がデリケートで気象条件に大きく影響を受けるため、生産者の手でひとつひとつ袋がけし、大切に育てられる。その長崎のびわの代表格といえば5月頃から旬を迎える”茂木”。江戸時代に中国から種がもたらされ、茂木地区で栽培が始まったためこの名がついた。ふっくらとしたオレンジ色でボリュームのある大玉は、糖度が高くジューシーでとろけるような食感が堪らない。一方、ハウス栽培の代表品種は、2月頃から出荷される”長崎早生”。果肉がやわらかく、口いっぱいに広がる上品な甘さが特徴だ。 旬 5月 6月...»
”長崎ざぼん”は、江戸時代に中国より長崎に持ち込まれて以来、栽培が始まったといわれており、日本に初めて持ちこまれた原木は、現在でも長崎市内の西山神社の境内にあり、旬の12月には実をつけるという。長崎ざぼんは、食べる前から楽しめるさわやかな香りが特徴。皮をむくと赤みがかった大ぶりな果肉が出てくる。大ぶりな果肉は食べ応えがあり、柑橘系の甘酸っぱさを存分に堪能できる。剥いた皮をお風呂に入れれば、さわやかな香りが疲れを癒すざぼん風呂として楽しめる。 旬 11月 12月...»
長崎市内では、すいかのハウス・露地栽培が盛んに行われている。中でも、琴海地区で栽培されている”長浦すいか”は、100年以上も前から栽培されているすいかで、日当たりに恵まれた尾戸(おど)半島の海岸沿いの平地で栽培されている。この栽培地の土壌は、表面が砂に覆われた赤土で、すいか栽培に適しているといわれ、それに加えた、徹底した温度管理と、細やかな水はけへの配慮をすることで、糖度が12度以上という甘い長浦すいかが育つという。収穫は6月。みずみずしい甘さが楽しめる長崎のすいかを楽しんでもらいたい。 旬 6月...»
”ゆず”や”かぼす”に似た外観、”ざぼん”やゆずの様な甘い香り、やわらかい果肉、酢みかんらしいさわやかな味を持つ”ゆうこう”。 他の香酸柑橘類と同じように、主に肉料理、魚料理、酢の物などの調味料や薬味として使うのが一般的だ。昔からある柑橘類だが、一時期、温州みかんとの交雑などが懸念されたため、生産が廃れていった。しかし、近年は、交雑の心配がない独特の品種だと認定されたため、長崎市東部の土井ノ首(どいのくび)地区周辺、外海地区といった地域を筆頭に、徐々に栽培地域が広がりつつあるようだ。 旬 10月 11月 12月 1月 2月...»
荒地に強く水に弱いそばは、岩がちで平地の少ない対馬に最適。古来より、「木庭作」(こばさく)と呼ばれる山の斜面を利用した粗放的な焼畑で栽培され、江戸時代には厳原町の城下に何軒ものそば屋さんが店を連ねていた。全国的にそばの品種改良が進んだ現在は、原種に近い対馬のそば(対州そば)は貴重。小粒で風味が強い独特の味わいは、愛好者から高評価を受けている。つなぎを一切使わず、100%天然のそば粉を用いるのが対馬流。独特の歯ざわりとのどごしの良さ、自然の香りと味を楽しむことができる。 「対州そば」は、古くから対馬で栽培されているそばの品種のこと。名称にある「対州」はかつての対馬国を指している。そばの原種は中...»
長崎県の五島列島で作られる料理で、ハコフグの腹を丸く切って内臓を処理したのちに、身を取り出し、味噌、酒、きざみねぎなどを混ぜ合わせて、再び腹に戻し、アルミホイルで包み焼きにする料理が”ハコフグの味噌焼き”。ご飯に良くあうおかずになるだけでなく、酒の肴としても活躍し、地元の人たちに親しまれている郷土料理だ。「ハコフグ」は、上五島列島周辺では”かっとっぽ”という呼び名で親しまれており、その代表料理である”ハコフグの味噌焼き”も”かっとっぽ”と呼ばれることも多い。...»